旅と文学
『ノーザンモード』

道のりを照らすもの

『Fire Walk with Me.』

「札幌から道のりにして二六〇キロの地点である」

村上春樹の代表的な長編『羊をめぐる冒険』にそう記された、道北の架空の町、十二滝町。小説では失踪した友人の影を追う主人公が、札幌からその260kmの道のりを旅した果ての場所で、親友との遅すぎた再会と決定的な別れを体験する。そう、北へと向かう道のりにおいて、人はさまざまな風景や出来事と出逢い、そうして自分の目的地を見つけるのだ。

だから、道北に生きる、あるいは道北を愛する人々が語る言葉にいま、耳を傾けてみたいと思う。彼らはどんな道のりを経て、この場所に辿り着いたのか。どんな思いとともに、その道のりを振り返るのか……。そこで語られる言葉は同時に、私たちのこの旅の意味を照らし出す光源ともなるだろう。そして私たちは、私たちの十二滝町に向かって、歩みを進めることになるだろう。

The Article Contributed

西山 繭子

01/Mayuko Nishiyama

女優としてTVや映画、舞台などで活躍する一方、多くの小説を発表。主な著書に『色鉛筆専門店』(アクセス・パブリッシング刊)、『しょーとほーぷ』(マガジンハウス刊)など。

富井 弘

02/Hiroshi Tomii

伝説のアルペン王トニー・ザイラーとの交流でも知られるスキーヤー。還暦を機に名寄市に移住、80歳を過ぎてなお「富井スキースクール」校長としてスキーの魅力を伝え続ける。

数井 星司

03/Seiji Kazui

札幌市出身。個展の開催や、海外での作品発表などで活動する写真家であり、アートディレクターとして企業や自治体などのデザインプロジェクトも広く手がけている。

赤松 祐一郎

04/Yuichiro Akamatsu

大学卒業後、大手ビールメーカーに就職。生活を見直すために脱サラして北海道に渡り、現在は車中生活を送りながら“バンライフ北海道”の名で北海道や車中泊生活の魅力を発信中。

栗岩 英彦

05/Hidehiko Kuriiwa

二度にわたる世界一周など各地を放浪する旅の後に下川町に「レストラン&カフェMORENA」をオープン。旅の記憶を描く絵画の制作活動を続け、道内外で個展も開かれている。

星野 智之

06/Tomoyuki Hoshino

月刊雑誌「東京カレンダー」編集長などを経て、2019年6月に美深町紋穂内地区に3室だけのホテル「青い星通信社」を開業。主な著書に短編集『月光川の魚研究会』(ぴあ刊)など。

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