EVENT REPORTS

終り火2018レポート

イベントレポート

更新日:2019年9月17日

Nov.2thFri – 4thSUN 2018

CRAFT&PLAY in Late Autumn BONFIRE FOR THE END OF SEASON

今年の記憶を刻む
冬の気配を感じながら

Owaribi2018 REPORT

終り火2018レポート

終り火とは、あと数日で秋が終わり雪の気配がすぐそこに感じられる頃に、アウトドアシーズン最後の日として集まる会。特別な場所で非日常的なアウトドア料理や手軽に作れるクラフト体験、満天の星の下、静かに囲む焚き火でお酒と夜長を楽しむツアーだ。今年で3回目の開催となった。

フィールド提供:ファームイントント
クラフト指導:NATURE WORKS 長野 修平
料理監修:東洋肉店 代表取締役 東澤 壮晃
彫刻家:山下亮太
キャンプ監修:リバートリップCAMEL 代表 辻 亮多
撮影:seijikazui
企画・運営:道北文化創造プロジェクトBASIS

ナイフ一本で淡々と削る

舞台はアウトドア最後の「未開の地」と言われる道北の更に奥地にある美深町仁宇布。
例年降雪や氷点下など道北らしい過酷な環境での開催となっていたが今年は一転、小春日和の穏やかな時間が続く「終り火」では珍しい3日間となった。

(c)seijikazui-owaribi2018

スケジュールは、あるようでないのがこのイベントの特徴だ。参加者は、その日の午後のそれぞれ自分の都合の良い時間に会場に訪れ、なんとなく他の参加者達と合流しコーヒーをひとすすりした後、ネイチャークラフト作家の長野修平氏の指導のもとおもむろにクラフト体験をスタートしていく。

(c)seijikazui-owaribi2018
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フィールドの中心には、終り火のシンボルとも言うべきファイヤーサークルが掘られおり、その周りには玉切りにした白樺の丸太がイス替わりに並べられていた。ここで参加者は自然と焚き火を囲むように用意された木材を黙々と削している。

(c)seijikazui-owaribi2018

クラフトに決められた形は存在しない。ククサやカッティングボード、豆皿やスプーンなどそれぞれ好きなものを好きなだけ作り出していく。同じククサでも、ナイフ1本で削りだす者や、アックスで削りだす者、炭を使って焼き彫りを行う強者もいた。

(c)seijikazui-owaribi2018
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時間を忘れてクラフトに没頭しているうちに、夕日が赤に染まり、あたりは日が暮れ始めている。BASISスタッフが焚き火にたくさんの薪をくべ、一気に火力を上げるとそこからは少し長めのディナータイムが始まる。
この日の乾杯は、地元で採れた「白樺樹液」を水分の100%に使用して醸造されたオリジナルのクラフトビール「ホワイトバーチピルスナー」。来年には、地元でクラフトビールの醸造所も誕生することもあり、その試作品が特別に参加者に振舞われた。

(c)seijikazui-owaribi2018
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ディナー用のテントの中に置かれたテーブルでは、地元の老舗「東洋肉店」の東澤壮晃氏が監修するラム肉の希少部位を使った絶品ラム料理の数々がフィールドガイド兼シェフの辻亮多氏によって次々と並べられていく。

(c)seijikazui-owaribi2018
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一方、野外には鹿の頭骨が飾られた「氷点下10℃バー」なるものが開店しており、参加者が持ち寄ったスコッチウイスキーやワイン、日本酒などがズラリと並べられていた。すでに数人はグラスを片手に、そこに入り浸る気満々の表情を浮べる者もいる。

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非日常の空間とスコッチウイスキーのせいで時間の感覚がないまま静かに夜は更けていく。焚き火にあたりながらふと空を見上げると、そこにはプラネタリウムを描き写したような満天の星が現れていた。

(c)seijikazui-owaribi2018
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翌朝、凛とした寒さに目が覚めてテントの外に出ると、すでに焚き火には火がつけられており、まわりには何人かの参加者が淹れたての珈琲をすすっていた。もちろん、参加者の起床時間は決められていない。全員が目覚めて、焚き火のまわりに集まると辻氏がおもむろに朝食の用意を始め出した。朝食のメニューは、終り火の定番とも呼べる「手羽先の玄米がゆ」だ。昨日の夜の豪華なディナーも良かったが、冷え込んだ朝に食べる温かなお粥は、何とも言えず一日の始まりを幸せな気分にさせてくれる

(c)seijikazui-owaribi2018
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朝ごはんを食べ終わると参加者はまた焚き火のまわりに座ってクラフトを始めたり、当たりを散策をしたり、テントでくつろいだり、各々の時間を過ごす。イベントの終了時間は決められていない

(c)seijikazui-owaribi2018
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お昼になる頃までに、一人、また一人と好きなタイミングで帰路に立つ。始まりから終わりまでとことん自由が与えられているこのイベントは、最後の一人が会場を後にすると、ようやく幕を閉じる。幻のような数日間が終わると、また次のシーズンにむけての冒険は始まった。

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